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小渕優子公文書管理担当相? [情報公開・文書管理]

前回の続き
小渕優子氏がどうやら公文書管理担当相に就任している「らしい」。
「らしい」と付けているのは、公式発表でどこにもそんなことが書かれていないためである。

まず、在京大手新聞(朝日読売毎日日経産経東京)を調べてみたところ、全て小渕氏の肩書きは「少子化対策、男女共同参画」しか書いていない。
そして、気になって首相官邸のHPの閣僚名簿を見てみた。

obuchi.jpg

やっぱりないよ(泣)

つまり、政府公式発表では、公文書管理担当相は存在しないことになっている。
どういうことなんだろうか?さっぱりわからない。有識者会議の議事要旨が出るまで待つしかないか。

前回の福田改造内閣の時に、担当相の中山恭子氏の肩書きが「拉致問題・少子化」とだけ略されるのはひどいということをブログに書いたが、ちゃんとこの時には政府からは公文書管理担当も発表されていたので、マスコミの方に問題があった。
しかし、今回は政府発表そのものに記載が一切ないのだ。これはひどいと言わざるをえない。

さて、ではその担当相(と思われる)小渕氏であるが、前に紹介した福田康夫氏が主導していた「公文書館推進議員懇談会」の事務局長である。
おそらく、同じ群馬県選出ということで福田に誘われたというところなんだろうが、それでも前の中山氏とは異なり、少なくともある程度の事情をわかっている人がなったということは言える。
その意味では、小渕氏個人に対しては期待ができるかもしれない。

ただ、政府発表を見ればわかるとおり、やはりこの内閣はあまり公文書管理問題には熱心ではないのだろう。
選挙もあるのでどうなるかわからないが、来月の最終答申にむけて、少しでも小渕氏には踏ん張ってほしい。

追記9/27
小渕優子氏の大臣就任会見の映像を見ることができた(Yahoo!みんなの政治の小渕氏のページ)。そこでは、担当は「少子化対策、男女共同参画」であり、総理から公文書管理の方も行うようにとの話もあったというような発言をしていた。
だが、「公文書管理担当相」という肩書が付いているかまではわからなかった。

しかし、この記者会見の読売の記者の質問はひどい。「子育て並びに、少子化相として子作りについて、お忙しい中でどのように対応されるのか」とか・・・。特に、「子作り」の部分はセクハラだと思うけどなあ。しかも、小渕がとまどっているのに追撃して「御予定は」とか、それは何だと。
少子化相だからといって、子供をたくさん産まなければならんということでもないんだから・・・。

更に追記10/6
国立公文書館のHPで、小渕氏が公文書管理担当相に就任したということが発表されていました。
これで任命されていることは確定です。

更に更に追記11/6
最近、ある記者の方から情報をいただきまして、どうやら「公文書管理は担当しているが、公文書管理担当相の辞令はもらっていない」というのが正式らしいです。うーん、わかりにくい・・・。

おまけ
小渕大臣の日記(11月6日)に国立公文書館訪問記が掲載されています。この公文書問題を非常にわかりやすく説明していると思います。
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公文書管理担当相消滅←訂正、小渕優子氏です。 [情報公開・文書管理]

さきほど麻生太郎内閣の閣僚名簿が発表になった。
「Yahoo!みんなの政治」の閣僚名簿によれば、公文書管理担当相は消滅したようである。

厳しい。状況は最悪な方向に向かいつつある。
やはり麻生は福田を引き継いではくれんのか・・・。
行革担当か公務員制度担当の中にでも吸収されたか。それとも形式的にも誰も引き継いでくれないのか。
麻生は情報公開や歴史に熱心ではないのか。祖父・吉田茂や父・麻生太賀吉の悪行でも出てくると思ってるんかなあ・・・。

やはり民主党政権に期待するしかないのか・・・・。

追加情報はわかりしだい追記します。

追記9/26
どうやら小渕優子氏が担当相に就任しているらしいです。コメントに書き込みを下さった方がいることと、昨日有識者会議があり、毎回そこに出席されている方(歴研の総合部会で質問していた)のブログによると、小渕氏が出席していたということから、そう判断できると思われます。
なぜ、私がこういう勘違いをしたのかについては、次の記事で
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歴研総合部会「公文書管理法と歴史学」の感想 [情報公開・文書管理]

9月21日に東大本郷で、歴史学研究会総合部会「公文書管理法と歴史学―有識者会議中間報告の射程と課題」が行われた。
もちろん、関係者ということなので、私も参加してきた。

今回の報告者は、有識者会議の委員でもある加藤陽子氏と、アーカイブズから安藤正人氏、歴史研究者から吉田裕氏であったわけだが、後者二人が「自分はコメンテーターだ」と発言していたように、実際には加藤さんが「主役」というシンポジウムであった。
内容を全部紹介するのはさすがに骨が折れるので、気づいたところをピックアップして書いておきます。

加藤さんの話でまず興味深かったのは、福田内閣において公文書管理問題は消費者庁の問題とセットになっていたということである。
これは私も以前、「骨太の方針08」で消費者庁と並んで併記されていることを指摘したことがあるが、加藤さんによると、どうやら福田が官房長官だったときに公文書管理問題に取り組んでいた官僚が、消費者庁問題の中心メンバーになっているそうである。
つまり、福田は官房長官時代からの公文書管理問題の延長上として消費者庁の問題も捉えていたということなのである。

次に、有識者会議の他のメンバーに対する評価が高かったことである。
座長の尾崎護氏や行政法学者の宇賀克也氏や高橋滋氏なども、公文書を残すことを現在からの視点ではなく、歴史として残す必要をよくわかってくれているようである。
特に、行政法の二人が、意思決定過程の文書を残させることの重要性を強調し続けていたことを、加藤さんは心強く感じていたと話されていた。
確かに、今回の中間報告で、文書の作成部分からきちんと管理をしようという方向まで踏み込んだのは、この二人の意見が強く反映されているという印象は、私にもある。
こういった、歴史やアーカイブズに関心のある行政法学者の存在は貴重であると改めて感じた。

そして、今回の中間報告は作成段階で上川陽子前大臣のコミットと内閣官房公文書管理検討室の共同作業となっており、理想論よりも実現可能な案を追求したものだという話だった。
私としては、これでも十分理想論ではないかと考えていたのだが、これが「実現可能な案」として作られていたところに、官僚側も含めたこの改革への意識の高さを感じた。

全体的に、加藤さんの話を聞いていて、不遜な言い方になるけど、私と基本認識や問題意識がほぼ重なることが良くわかった。その点は結構嬉しかった。

他には、安藤氏や吉田氏のコメントと議論の中で問題になっていたことを二つほど。

一つは、情報公開制度との関わりについて。
現在の情報公開法による文書請求は、不開示部分の決定などの手続きが煩雑であり、かつ文書を専門的に読める人が官僚側に不足しているということもあって、それが開示の遅れの原因になっている。
加藤さんは、この点について、アーカイブズを専門としている担当官を外部から入れるなどすれば、情報公開に官僚側がかかっている時間の短縮が図れるのではないかという話をされていた。

私もこの点は同感である。
私が以前、東宮職日誌の開示が遅延していることに対して裁判を起こしたときに、宮内庁側は「昔の文書を読むのが大変なんだ」ということを反対理由として挙げていた。
そもそも、情報公開に関わる人員配置の少なさもあって、担当職員に対する負担は増大する一方である。また慣れてきたと思うと、人事異動になって元に戻るということも良くあることである。
こういう状況を変えるには、文書管理・読解の専門官を早急に各省庁が雇うべきであると思う。

二点目は、アーキビストの養成の問題である。
加藤さんは、具体的な近現代の政府機構(行政司法立法)の公文書を扱うアーキビスト養成のプロセスと具体像がわかりにくいということを指摘されていた。
確かに、私もこういう問題に発言をするようになってから色々と勉強したのだが、理念的にはわかるのだが具体的にはどうすれば良いのかという点はどうもよくわからない。
日本近世史などでは、集団で村の調査とかに行って、そこで資料整理をしたりして実地で学ぶみたいだが、近代史にはそういうことがほとんどない。
ほとんど、個人の「職人芸」の世界に留まっていて、個々の研究者の持つ「技術力」が下の代に伝わっていっていないような感じがするのだ。

安藤さんが所属されている学習院大学の大学院にアーカイブズ学専攻ができたことは一つの成果ではあるが、もちろんこれだけでは不十分である。
この学習院の取り組みが「業界標準」となるのかどうかはわからないが、現在唯一のアーカイブズ学専攻である以上、学習院の教育課程を原型とした教育モデルを作成して、それを広げていくことが求められるのではないかと思う。

一方で、歴史学の側は、「史料整理はどれが重要かを判断できる目が必要である」という考え方がどうしても残る。
そのため、アーカイブズ学だけを習得するアーキビストの存在に対して、やや懐疑の目を持っている人が少なからず存在している(特に近世史の人にその傾向が強い)。
しかし、近世文書はよくわからないけど、近現代の公文書については、これから電子公文書の問題なども入ってくるため、近世史の感覚でアーカイブズ学をやることはおそらく不可能だろう。

私は会場で、もっとアーカイブズ学を史学科できちんと教えるようにならなければならないのではないかという発言をした。
この質問の意図としては、史学科の学生がアーカイブズにきちんと理解を示すことが必要だという点と、将来アーカイブズ学に進む人の中心に、史学を専攻した人がなってほしいということも含めている。
少なくとも、情報学の人だけでアーカイブズ学が担われるような事態になった場合、下手をすると「官僚に都合の良い資料の整理の仕方」をするようなアーキビストが大量に養成されかねないように思うのだ。
歴史学専攻者からの特権的な言い方なのかもしれないけど、やはりアーカイブズ学をする人には「歴史学的素養」があってほしいと私は願っている。歴史研究者が危惧するように、「史料の価値を歴史的に判断する」にはその素養が必要であると思う。

歴史学の側の危惧もわかる一方で、アーカイブズ学が独自の技術を身につける必要を重視していることもわかる。
この両方のどちらが間違っていて正しいということはない。両方がどう並立できるのかを模索する必要があるのだ。
そのためには、両者の対話の窓口をきちんと作っておく必要があるように思う。


さすがにそろそろ長くなってきたので、感想はここまでにします。ダラダラしていた読みにくくて申し訳ない(書きたいことが次から次へと出てきてまとまらない)。

最後に、このブログを加藤さんがものすごく良く見ていることがわかって驚いた。非常に好意的に紹介していただき、本当にありがとうございました。

あと、やはり福田首相退任で、この改革は遅れそうだということもわかった。でもこれであきらめてはいけない。福田首相がここまで引いてくれたレールを、もっと伸ばしていかなければならない。
このブログでもまだまだこの問題はあきらめずに取り上げていきたいと思います。
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福田首相の今日の発言 [情報公開・文書管理]

今日の毎日新聞。記事を貼っておきます。

福田首相 「急に辞めちゃったことも」公文書の重要性強調
9月4日18時47分配信 毎日新聞

 「政権は間違いなく代わりますけれども、この政策は、重要政策は変わりません」。福田康夫首相は4日、政府の「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」(座長・尾崎護元大蔵事務次官)に出席し、自らの辞任で積み残しとなる国の公文書管理強化について、自虐的な表現を交えてあいさつした。

 公文書管理の強化は、首相の肝いり政策の一つ。05年3月には公文書館推進議員懇談会を発足させ、代表世話人を務めたほど思い入れも深い。首相は「言い出しっぺでありながら、完成を見ない立場でございます」と、出席した委員一人一人に目を配り、何度も頭を下げて恐縮した。

 さらに公文書管理のあり方について「将来の国民に分かってもらえるようなものを(残したい)。あの時代は、2008年はどうだったとか……。急に総理大臣が辞めちゃったとかね」。脱線気味のあいさつに、委員からは失笑も漏れた。【木下訓明】

(引用終)

この発言、お気楽な放言であると思われているようだ。前後の文脈がわからないので簡単に判断できないが、この部分だけ読めば、軽いと取られるのも確かだろう。
でも、これまで福田康夫個人がどれだけこの問題に深く関わってきたかを追ってきた私には、福田首相の言っていることは、笑わせながらも本質を突いている。
つまり、公文書を残すということは、恥ずべき事であろうとも残さなければならないということなのだ。
今の公文書の保存体制は、官僚側に捨てるか残すかの権限があるので、省庁に都合の悪いことは隠蔽されてしまう。
また、隠蔽しようとしなくても、ろくな管理体制を取らないが故に、後から問題が発生している(年金問題が典型例)。
福田首相のこの発言は、公文書管理問題に彼が本気で取り組んできたからこそ出る「軽口」であるのだ。

私には、たまたま日程的に有識者会議があったということもあるだろうが、辞めた直後に敢えて出席することで、この問題がマスコミに取り上げられるように仕向け、関心をつなごうとしているようにみえる。(少し好意的に読みすぎかな?)
おそらく、他の問題はまだしも、この公文書管理問題については、自分の手で完成させられなかったのは無念だったのではないだろうか。

しかし、かえすがえすも、安倍晋三が首相になったときに福田がなっていればと思うと無念でならない。
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福田首相辞任の衝撃 [情報公開・文書管理]

昨日、福田康夫首相辞任の知らせを聞いて愕然とした。
私がこのブログでずっと書いてきたことだが、公文書管理政策は福田首相のライフワークであり、そうだからこそ推進されてきたところがある。
しかし、ここでその推進力を失ったのは厳しい。

もちろん、有識者会議が廃止になるわけではないし、おそらく今後も改革は検討されるだろう。
しかし、画期的な中間報告を出し、官僚の抵抗がこれから激しくなるときに、「首相のお墨付き」を失うことの厳しさは想像に難くない。
また、選挙になったらこの動きもしばらくは止まるだろう。民主党にもし政権が移ったとして、どこまで民主党がこの問題にきっちりと対応してくれるのかは未知数である。

それに、この改革の肝は、制度ができた上で、公文書管理制度にどこまで金と人がきちんと投入されるかということにあるのだ。
こうなったからには、公文書管理担当大臣の常設化ということを、最も重要な要求として訴える必要があるかもしれない。

今後どうなるのかは政権が落ち着くまでは何ともならない。
しかし、いずれにしろ、あきらめてはならない。ねばり強くこの問題の重要性を訴えて、福田でなくても重要視してもらえるようにアピールし続ける必要があるのだと思う。
衝撃は大きいが、落ち込んでばっかりではいられない。これからも有識者会議の動きを見ながら、ブログでこの問題について取り上げていきたいと思う。
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公文書管理のシンポジウムのお知らせ [情報公開・文書管理]

歴史学研究会で、公文書管理関係のシンポジウムを開催するそうです。間接的に協力したので、宣伝をしておきます。
会員でなくても参加できます。おそらくこの報告者のメンツならば、100人以上の参加者は見込めるのではと思います。
特に、このブログでさんざん取り上げている「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の委員である加藤陽子氏を引っ張り出してきたのは重要だと思います。是非とも多くの方にご参加いただき、この問題を盛り上げて行けたらと思います。


総合部会例会2008年度第1回例会のご案内

「公文書管理法と歴史学-有識者会議中間報告の射程と課題」

報告者 
 加藤陽子氏「未来を燃やさないために-公文書管理をめぐる次の一歩」
 安藤正人氏「『中間報告』を読んで-アーカイブズ学の立場から」
 吉田 裕氏 「公文書の保存・公開問題と日本近現代史研究」


日  時 2008年9月21日(日) 13時~17時
場  所 東京大学本郷キャンパス 法文1号館1階113教室
資料代 300円

趣旨文など詳細は、歴研ウェブサイトで:
http://wwwsoc.nii.ac.jp/rekiken/seminars.html#sougou

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意見書を送ってみた [情報公開・文書管理]

「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の「中間報告」に対する意見募集を内閣府が始めたことは、すでにブログで紹介しました。

「300字程度」という文字制限がなければ、書きたいほどは山ほどあるのですが、仕方がないので自分の一番実感している部分について、体験を交えて書いてみました。

(本文)

強力な公文書管理担当機関の設立に賛同します。その為に、外務省外交史料館と宮内庁書陵部の公文書管理部門を国立公文書館へ統合し、国家として統一的な文書管理がなされるべきです。筆者は書陵部で公文書の閲覧を行っておりますが、申請して2年経過しているにも拘わらず、未だに公開されていない文書があります。書陵部からは原課に戻して審査をしていると聞いており、省庁の内局に移管場所がある場合は、結局原課の恣意的な意向が強く働くことは疑いありません。また現状では第三者機関への不服申立も行えず、抗議することもかないません。
一つでも例外的な措置を認めてしまえば、他省庁での改革の取り組みを鈍らせるおそれがありますので、ぜひご検討頂きたいと思います。
最後に、この改革のために、長期的な予算と人員の確保を強く要望します。

(/本文)

要するに、宮内庁の現状について、そこに手を付けない改革だけは勘弁してほしいという思いを前面に出したものです。
これは自分の利益を押し出したものではあるけど、抽象的な賛成論よりも、官僚の耳には届きやすいのではないかと思いました。

あと、最後の1行は全く文脈を無視したものだし、中間報告への意見にはなっていないんだけど、やはりこれだけは書いておかなければという部分です。
結局制度ができても、金と人がまわらなければ、制度は動かないと思うからです。

この意見書の締切は8月15日です。ぜひ多くの方が意見を送って下さればと切に願っています。
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中山恭子「公文書管理担当大臣」(強調!) [情報公開・文書管理]

先程、福田内閣の改造人事が行われた。
それまで、上川陽子氏が公文書管理担当大臣を勤めていたわけだが、今度は中山恭子氏に変わった。

中山氏の正式な肩書きは、「内閣府特命担当大臣 (男女共同参画/少子化対策) 拉致問題担当/公文書管理担当」である。
Wikipediaで調べてみたのだが、この肩書きの()内のものは、内閣府に事務処理のための機関(ここでは「男女共同参画局」)があるものであり、その後の「~担当」というのは、内閣官房に事務処理機関が作られている場合なのだそうである。
これは、内閣府に置く場合は法令を作らなければならないのに対し、内閣官房(首相の直属機関)に置く場合は首相の命令で行えるからという違いがあるそうな。

さて、それを踏まえた上で、新聞記事を見ると、中山氏は次のように書かれている。

少子化・拉致問題 中山恭子

(涙)
少子化相とだけ書かれるならわかる。
でも拉致問題担当相と書くなら、なぜそれと同等の「公文書管理担当相」が抜けるんだ!
やはり、マスコミは全く公文書管理担当相の意味を分かってない。
もちろん、中山氏が拉致問題にずっと関わってきたから、そこが強調されているのはわかるけど・・・。(ひょっとすると、官房長官の発表の仕方に問題があるのか?)
本当にこの問題のマイナーさが改めて実感される。

さて、この中山氏の起用はどうなんだろうか。
中山氏は元々大蔵官僚であり、公文書管理の有識者会議の座長である尾崎護氏の後輩にあたる(8年下だが)ので、ひょっとすると人脈的につながりがあるのかもしれない。
中山氏がどういうスタンスをこの問題に取っているのかは全くわからないが、福田首相は前任の上川氏と同様に、官僚のことを良くわかっている人を担当につけたようには感じる。
ただ、拉致問題にばかり力を入れて、公文書管理の方がおろそかになるようなことだけが心配ではある。

とりあえずしばらくは様子見。頑張ってほしいと願っている。
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「公文書管理」についての意見の募集 [情報公開・文書管理]

先程気づいたので、緊急で上げておきます。

私が、毎度毎度取り上げている「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の「中間報告」に対する意見募集を内閣府が始めたようです。
せっかくなので、下に貼っておきます。→正式なリンク先

意見等を募集します

 公文書管理の在り方等に関する有識者会議では、平成20年7月1日に中間報告『「時を貫く記録としての公文書管理の在り方」~今、国家事業として取り組む~』をとりまとめました。これにつきまして、国民の皆様から幅広く御意見を募集しております。
 併せて、内外の公文書館等で公文書を利用した際に、良い取組と感じた点や改善したら良いと思う点について御意見・御感想をお寄せ下さい。

 意見提出期限
 平成20年8月15日(金)必着

 御意見等については、様式自由としますが、300字程度以内におまとめいただきますようお願いいたします。
 御意見等の提出方法は、(1)電子メール、(2)郵送といたします。電話及びFAXによる受付はいたしません。
 御意見等を提出される場合は、個人は氏名・住所・年齢・性別・職業・メールアドレスを、法人は、法人(団体)名・所在地・職種・メールアドレスを明記願います。これらの情報は、必要に応じ、当方からお問い合わせをさせていただく場合や意見等がどのような立場からのものか確認するためにお尋ねしておりますが、個人を特定する情報(氏名、メールアドレス等)につきましては、有識者会議終了後、適切な方法で処分させていただきます。
 なお、個人や法人を特定できないように整理した上で公表する場合もありますので御了承願います。 また、いただいた御意見等に個別に回答を差し上げることはいたしませんので併せて御了承願います。

皆様からの御意見等をお待ちしております。

 (1) 電子メールの場合
 こちら から記入フォームに進んでください。
 (2) 郵送の場合
 〒100-8968
 東京都千代田区永田町1-6-1
 内閣官房公文書管理検討室 宛に郵送願います。
(封筒表面に「中間報告に関する意見」と朱書きいただきますよう願います。)

(引用終)

300字?
少ない。新聞の投書欄より少ないぞ。
最初、見間違えたかと思った。3000字とかならまだわかるけど・・・。
法案提出までに時間がないから、本格的な意見を募集していないということなのだろう。

この字数なら、書きたいことを1点に絞るしかない。
私は宮内庁書陵部の公文書管理機能の国立公文書館への移管ということを書こうと思っている。

もしこのページを見た方は、是非とも内閣府に意見を送ってほしい。たぶん内閣府は「追い風」を期待している。ただ単に「中間報告は良い案だ」というレベルの話でも良いと思う。
「中間報告」が良くわからないという人は、私の解説を見てください。→前編後編

歴史研究者は絶対に黙っていてはならない。300字ならすぐに書ける分量のはずだ。
未来の歴史研究者のためにも、ぜひ一言書いて送ってほしいと思う。
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上川担当相、国交省などを批判する。 [情報公開・文書管理]

本日の朝日新聞の記事。下に引用しておきます。

公文書ずさん管理を批判 上川担当相、国交省など名指し

2008年7月11日21時30分

 「書庫にファイルが雑然と置かれ、背表紙の記載が十分でない状態のものがみられる省庁がある」。上川公文書管理担当相は11日、首相官邸で開かれた行政文書の管理・保存に関する関係省庁連絡会議で、国土交通、経済産業、環境の3省がずさんな文書管理をしていたとして名指しで批判した。

 上川氏は4月、19省庁を視察した。国交、環境両省の書庫では雑然と置かれたファイルを目にし、経済産業省では個人の文書と行政文書が同じ書庫に保存されていたという。上川氏は会議で「公文書が国民の貴重な共有財産だという意識が希薄だ」と指摘。経産省の担当課は「速やかな改善に努めている」と反省しきりだった。

 福田首相が設置した公文書管理有識者会議は1日に中間報告をまとめ、役所任せにしていた公文書の作成から保存や廃棄までのルールを法制化するよう提案している。(南彰)

(引用終)

正直、上川陽子少子化担当相が、公文書管理担当相を兼任するというのを聞いたときに、「ほんまに大丈夫かいな」と思っていた。ブログにもそう書いたし。
でも、有識者会議などの議論を見ていても、どうやら熱心に取り組んでいるという感じはしていた。
この記事を見て認識を改めたほうがよいかもと思った。(少子化担当の方では相変わらず存在感がないが。)

こういった基本的な事項についての各省庁への批判は、もっと徹底的にやった方がよい。少なくともこの三省だけが問題だとも思えないので。
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