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国立公文書館、宮内公文書館、外交史料館への私のパブコメ [2011年公文書管理問題]

前回の続き。
国立公文書館、宮内公文書館、外交史料館が現在募集しているパブリックコメントを書いて送りました。
下記に貼り付けておきます。強調や色付けはブログ読者用に読みやすくするために付けたものです。
「→」から先は私の解説です。

基本コンセプトは「三館共通のルールにすること」です。なので、ズレがある部分に焦点を当てて、それをより良い方向に一致させる書き方をしています。

○国立公文書館利用等規則案 第11条第3項 (宮内公文書館にも同文送付)

 「情報通信技術を用いて館に送信する方法」を入れるべきである。
 利用請求者の便利を考え、利用申請にインターネットからの申し込みができるようにするべきである。システムが無くてできない場合は、早急に導入を行うべきである。

→ネットからの閲覧申請を可能にするということ。外交はOK。システムの問題なので、この意見が反映されることは無いだろうが、後に導入をきちんとはかるべきだと伝えるために送ったもの。

○国立公文書館利用等規則案 第20条第2項第1号イ 

 「用紙に複写したもの」の中に、「第8条に基づく複製物」も加えるべきである。
 原本保護や利便性向上のために紙焼きコピーを作っている場合、これを電子コピーするのは問題ないと思われる。また、外交史料館、宮内公文書館の規則案でも認められているので、この条文を加えるべきである。

→コピーの所で、国立公文書館だけが、利便性等のために紙焼きで複製されたものの複写が認められていない。これは入れ忘れなのではと思うので指摘。

○「宮内庁宮内公文書館利用等規則案」 第16条第3項 (外交史料館にも同文送付)

 利用請求者への利用決定の通知にかかる郵送料は、宮内公文書館が負担するべきである。
 開示決定を利用請求者に対して通知することは、館側の義務である。その通知書の送料を利用請求者側に負担させることは、制度の主旨からしても理に合わない。また、開示決定後30日以内に、利用請求者側は利用の方法申出書を提出する必要があるため、開示決定通知書が手許にない状態で、方法の申出を行うことは不可能である。
 国立公文書館利用等規則案第17条第3項において、国立公文書館はこの郵送料を館側が負担することを明言している。また、この理由として「確実な徴収を期し難く、督促に係る事務量(人件費等)と郵送費を比較考量した場合、当館が負担したほうが、効率的な経営管理を計ることができる」述べている(→9ページ)。また、情報公開法における利用請求に対する決定通知は無料で送られている。
 以上の点から、利用決定の通知にかかる郵送料は、宮内公文書館が負担するべきである。

→通知にかかる送料は館側が負担するのは当然だと思う。ガイドラインにそのように書いてあったこと自体が問題だった(私も気づいていなかった)。

○「宮内公文書館公文書管理法に基づく利用請求に係る審査基準案」

 公文書管理法の国会での附帯決議によれば、「十五 宮内庁書陵部及び外務省外交史料館においても、公文書等について国立公文書館と共通のルールで適切な保存、利活用が行われるよう本法の趣旨を徹底すること」(衆議院。参議院では十一に同文あり)とされ、国立公文書館、外交史料館、宮内公文書館においては「共通のルール」において運営がなされるべきだとされている。
 今回の基準案を見比べると、国立公文書館と外交史料館は文面もほぼ同じものになっており、共通のルールで行う意思がうかがえる。しかし、宮内公文書館は他の2館と文面が異なるものになっている。
 国会の附帯決議の主旨からすれば、本来この3館の審査基準は「共通のルール」であるべきである。よって、宮内公文書館の審査基準案は、他の2館と同じ文面にするべきものだと考える。
 特に問題となるのは、国立公文書館と外交史料館の基準案の末尾に記載されている「30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について」が宮内公文書館の基準案には掲載されていない点である。たとえ天皇の個人情報であったとしても、「公文書」に書かれていた「個人情報」である以上、永久に不開示にすることは法の趣旨にそぐわない。また、国立公文書館や外交史料館では、この表を「目安」として提示しており、この「目安」を宮内公文書館が提示できないはずがない(そもそも「目安」が無ければ、内部審査も行えないはずである)。
 公文書管理法の第1条には、「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする」と書かれている。宮内公文書館は、「その諸活動」を「国民に説明する責務」を果たすために、明確な審査基準を提示するべきである。

→今回のパブコメの最も強調したい所。3館共通のルール作成は「国会の意思=国民の意思」である。これに宮内公文書館が反することは、国会を軽視していることに他ならない。
宮内庁は天皇の個人情報の開示基準については、自分たちのフリーハンドを確保しておきたいというのがあるのだろうが、それは公文書管理法の主旨からしても明らかにおかしい。
この点は絶対に修正が必要である。

○「国立公文書館における公文書管理法に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準案」の「30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について」 (外交史料館にもほぼ同文送付)

 現在、国立公文書館では、利用規則「別表」において、「学歴又は職歴」等は30年以上50年未満、「国籍、人種又は民族」等は50年以上80年未満などの基準を提示している。今回の基準案では、前者は「50年」、後者は「80年」といずれも長い方の期間に合わせた基準となっている。よって開示されるまでの期間が、現在よりも長くなったと判断できる。公文書管理法の制定によって基準が厳しくなるのは、法の趣旨に反すると思われる。よって、この期間の短縮を求めたい。

→これは実際にこれまでの運用がどうだったかわからないので(実質長い方の期間に合わせて行われていた可能性もあり得る)、明確な説明がほしいかなと思って書いた。

他にも、書こうかと思ったことはあったのだが、指摘することで逆に規則が厳しくなる可能性もあったので、それは書くのを止めた。

まだ締め切りまで半月あるので、何か思いついたら追記するかもしれません。
みなさまがパブコメを書く際に参考になれば幸いです。
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