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『日本史研究』に論文が載りました [雑感]

今月発行の『日本史研究』573号に、「昭和天皇「戦後巡幸」の再検討―1945年11月「終戦奉告行幸」を中心として―」という論文が載りました。

日本史研究会の機関誌なので市販はされていません。史学科のある大学図書館や県立レベルの図書館ならおそらく入っていると思います。
一般の方には手に入りにくいかもしれませんので、もし読みたいという方がおられましたら、メールで住所と氏名をお知らせいただければ抜き刷りを郵送いたします。

内容は、敗戦直後の昭和天皇の「終戦奉告行幸」(伊勢神宮、神武天皇陵、明治天皇陵行幸)を題材として、その後の全国巡幸がなぜ行われたのかということを検証するというものです。
この論文自体は、博論のイントロの位置づけになります。このあとに、戦後巡幸と憲法(象徴規定)との関係という話が続いていきます。その意味では、地味な論文ではありますが、色々とその後を示唆するような仕掛けはあちこちに埋め込んであります。

この論文を発表できたことは私にとっては非常に大きいです。
もちろん、『日本史研究』という大きな学会誌に査読を突破して載せることができたという自分のキャリアの意味でも大きいのですが、それ以上に「公文書をメインに使った論文」をやっと発表できたということの方が大きいです。

この論文は、宮内庁書陵部が所蔵している『幸啓録』という公文書を中核として、京都府庁や三重県庁の公文書なども駆使して書き上げたものです。
日本の公文書を使って書かれた戦後天皇制の論文はこれまでほとんどない状況でしたので、その意味でも一石を投じられたかと思っています。

やっとこの論文を発表できたことで、私が公文書管理問題に伊達や酔狂で取り組んでいたのではないということが証明できたと思っています。

ただ、まだ「情報公開請求」によって開示された公文書をメインとした論文を書いていません。こちらは博論が終わった後に書きます。
そのために5年計画で資料を請求して色々と溜め込んでいます。
こちらを書けないと、まだまだミッションを達成した気にはなれません。

この論文を読んで、少しでも「公文書を使ってこんな論文書けるんだ」と思ってくれる人が増えてくれればいいなあと思っています。

追記
知り合いのみなさま。抜き刷りを送るのはちょっと遅れます。博論提出まであと1ヶ月強なのでなかなか時間が取れません。
この土日の歴研大会には行きますので、そこで会った方には直接お渡しします。2日目の現代史部会では受付に常時座っています。
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