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行政文書ファイル管理簿について最近あったこと [情報公開・文書管理]

以前から、情報公開法による行政文書ファイル管理簿がいかにずさんであるかという話は繰り返し書いている。
最近、また宮内庁で調べ物をしていたら、かなりすさまじい話がでてきたので、ちょっと紹介。
ただし、まだ論文にしていない重要資料が入っているファイルなので、多少伏せ字にします。

私はここ数年、次にやりたい研究についての資料を系統だてて宮内庁に請求し続けている。
その中で、事例が違うのに、なぜか同じファイル名から資料が出てくることが続いて、気になったのでそのファイルの中には、一体何が入っているのか全て明らかにしてほしいと依頼を出した。
ちなみにそのファイル名は、総務課○○係の「執務参考録 平成12年度」、というものである。

さて、数日後、宮内庁から返事があった。

宮内庁「この執務参考録ですが、まず大きく分けて、4つの資料群で成り立っておりまして、

私「はあ」

宮内庁「まず、○○綴というものが、昭和12年度から約1000冊あります。」

私「Σ(゚Д゚) ハア」

宮内庁「次に、新聞の切り抜きが昭和20年度から約500冊あります。」

私「Σ(゚Å゚)」

宮内庁「他にも、・・・・(以下略)」

どうも全て合計すると、この「執務参考録 平成12年度」には、1700冊ぐらいの簿冊が含まれているらしいのだ。
繰り返しになるが、この1700冊は、行政文書ファイル管理簿上では、たった一つの「執務参考録 平成12年度」でしか表されていない。

どうしてこういうことになっているのかは至極簡単にわかる。
「平成12年度」という年度は情報公開法施行の前年である。
つまり、整理が面倒な過去の資料を、すべて「執務参考録」という曖昧な名前のファイルにぶち込んでファイル名を付けた「ふり」をしたのである。

さすがに宮内庁の情報公開室の人もこれはまずいと思ったのか、「○○係の方では、これでは調べようが無いということで、ファイルの分割を検討しています」と言い訳をしていた。

当たり前だが、そもそも平成12年度以前に作っている簿冊を「平成12年度」のファイル名に分類するということ自体が明らかに間違っている。
しかも、宮内庁の行政文書ファイル管理簿で「執務参考録」と入れてみれば一発でわかるが、他の課でも同様に「執務参考録 平成12年度」という名前のファイルが作られている。
ちなみに「執務参考録 平成12年度」で検索してみると701件出てくる。

つまり、私が請求した物は氷山の一角に過ぎないということがよくわかる。
宮内庁内のほぼ全ての課で同じ事が行われているのだ。

この行政文書ファイル管理簿がきちんと資料と一対一対応できていない限り、今後も使い物にならない状況は続くだろう。
今回の公文書管理法の制定で、ファイル名の付け方がもっとわかりやすくなることを期待して止まない。
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