「行政文書の管理状況調査」の公表 [2009年公文書管理法問題]
内閣府の公文書管理検討室が7月31日に、2009年3月末現在の各省庁の文書管理状況の調査結果を公表した。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gyouseibunshou/chosa/21.pdf
10ページ強の文書であるので、是非とも興味のある方は現物を見てほしい。
さて、気になったところを少し。
最初に「調査結果の概要」というところで、
(2) 平成20 年度の国立公文書館への移管ファイル数は、12,331 ファイル※前年度の移管ファイル数の1.6 倍(平成19 年度7,716 ファイル)
と強調している(赤字も引用元のママ)。
数字だけ見ると、移管が進んだように見える。
この実際の数が書いてあるのが2ページにある表3である。
だが、なぜか他の表にはある「前年度」のデータが省かれている。
なので、付け足してみる。
前年 2009年3月末
総計 1,042,747(100%) 1,828,672(100%)
移管 7,716(0.7%) 12,331(0.7%)
廃棄 946,532(90.8%) 1,701,179(93.0%)
延長 88,500(8.5%) 115,162(6.3%)
これを見れば、いかに上記の赤字で強調したものが、官僚の「ごまかし」の数字であるかが良くわかる。
つまり、全体からみた%を見ると、移管の割合は全く同じである。
むしろ、延長が減った分、廃棄は93%にのぼっており、逆に捨てられた文書が大量に増えたと総括した方が正しいように思う。
そもそも、なぜ期限切れの文書が、前年より約1.8倍にもなるのかがよくわからないんだが、これは公文書管理法の制定と関係があるんだろうか?→追記 コメント欄のやりとり参照。
色々とデータ的には疑問が残ることが多いんだが。何かごまかされていないかが非常に気になるところだ。
こういった、調べればすぐにわかるような姑息な問題隠しは勘弁してほしいと思う。
他は、「これだけ改善に努力してます」という抽象論が並んでいるものが多い。だが、少なくとも文書管理に何らかの配慮を各省庁がせざるを得なくなっているということはよく伝わる。
また、これまで文書管理を各部署に任せておく「分散保存・分散管理方式」から、すこしずつ文書管理課が「集中保存・集中管理」する方式に変える省庁が増えてきているようだ。
この集中管理方式は、文書の私物化を廃し、客観的な基準で文書をきちんと管理保存するために必要不可欠な方法である。
まだ7省庁が分散の状態で残っているようだが、これらが「集中保存・集中管理方式」へと転換することを期待したい。
こういった報告書の元データとなっている各省庁別の結果も、是非とも公表してほしいと思う。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gyouseibunshou/chosa/21.pdf
10ページ強の文書であるので、是非とも興味のある方は現物を見てほしい。
さて、気になったところを少し。
最初に「調査結果の概要」というところで、
(2) 平成20 年度の国立公文書館への移管ファイル数は、12,331 ファイル※前年度の移管ファイル数の1.6 倍(平成19 年度7,716 ファイル)
と強調している(赤字も引用元のママ)。
数字だけ見ると、移管が進んだように見える。
この実際の数が書いてあるのが2ページにある表3である。
だが、なぜか他の表にはある「前年度」のデータが省かれている。
なので、付け足してみる。
前年 2009年3月末
総計 1,042,747(100%) 1,828,672(100%)
移管 7,716(0.7%) 12,331(0.7%)
廃棄 946,532(90.8%) 1,701,179(93.0%)
延長 88,500(8.5%) 115,162(6.3%)
これを見れば、いかに上記の赤字で強調したものが、官僚の「ごまかし」の数字であるかが良くわかる。
つまり、全体からみた%を見ると、移管の割合は全く同じである。
むしろ、延長が減った分、廃棄は93%にのぼっており、逆に捨てられた文書が大量に増えたと総括した方が正しいように思う。
そもそも、なぜ期限切れの文書が、前年より約1.8倍にもなるのかがよくわからないんだが、これは公文書管理法の制定と関係があるんだろうか?→追記 コメント欄のやりとり参照。
色々とデータ的には疑問が残ることが多いんだが。何かごまかされていないかが非常に気になるところだ。
こういった、調べればすぐにわかるような姑息な問題隠しは勘弁してほしいと思う。
他は、「これだけ改善に努力してます」という抽象論が並んでいるものが多い。だが、少なくとも文書管理に何らかの配慮を各省庁がせざるを得なくなっているということはよく伝わる。
また、これまで文書管理を各部署に任せておく「分散保存・分散管理方式」から、すこしずつ文書管理課が「集中保存・集中管理」する方式に変える省庁が増えてきているようだ。
この集中管理方式は、文書の私物化を廃し、客観的な基準で文書をきちんと管理保存するために必要不可欠な方法である。
まだ7省庁が分散の状態で残っているようだが、これらが「集中保存・集中管理方式」へと転換することを期待したい。
こういった報告書の元データとなっている各省庁別の結果も、是非とも公表してほしいと思う。
ご無沙汰しております。
疑念の部分について現場からの意見を
期限切れ及び廃棄件数の増減については、昨年の年度末は有識者会議での議論がなされていた途中だったので、文書の廃棄が原則凍結されており、廃棄・移管等の検討の対象になっていなかったことから特に廃棄件数が減り、凍結が解除された後に検討を行って処分した結果今年度末の数字が増えたことによるものが多いと思います。
実際、現場レベルでは、大多数の公務員は公文書管理法ができたことすら知らないので、法案成立を見越した駆け込み廃棄というのはあまりないと思います。
移管についても、昨年はこういう特殊事情があるので、一昨年の数字との比較が必要かと思われます。
あと、対象件数が増えた分移管件数も増えたのが事実だから「ごまかし」というのはそのとおりかと思いますが、一昨年からもし実数が相当程度増えていれば「処理能力が向上した」という点は評価してもいいかもしれないと思いました。
by hirajimukann (2009-08-22 16:40)
> hirajimukannさん
コメントありがとうございました。
なるほど。そういうことだったのですか。それならば件数が増えたことは納得がいきます。
一昨年の数字がわかると参考になるのですが、そういった数字はどこで見れるものなのでしょうか?
移管の実数の点についても、たしかにそういう点はあるということは評価しなくてはいけないかもしれません。
ただ、明らかにその前までの説明の部分は昨年との比較があって、ここだけ昨年度のデータを引用していなかったので、そういったことはごまかさないでほしいなと思いました。
ちょっときつい書き方をしすぎたかもしれません。
しかし、やはり現場レベルは公文書管理法ができたことすらほとんど知らないのですね・・・(;_;)
by h-sebata (2009-08-22 18:45)