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世耕弘成議員の日記と公文書問題続報 [情報公開・文書管理]

最近の麻生首相の「郵政民営化に実は反対だった」発言に対して、小泉元首相がキレたという記事の中に、自民党の世耕弘成参院議員の日記が引用された。→毎日新聞の記事
それを見たある友人が、世耕議員のブログ「世耕日記」を見たところ、「公文書問題」について触れている部分があったとのことで情報をくれた。少しだけ紹介してみたい。

関係部分だけ引用させてもらいます。

2月10日
内閣官房公文書管理検討室山崎審議官より国立公文書館法について説明。もっと公文書館に強力な権限が必要と考える。

2月12日
国立公文書館の菊池館長が来訪。新公文書館の構想について説明。
(引用終)

なお、「国立公文書館法」と書かれているが、公文書管理法ができれば、当然国立公文書館法も改正される。今回世耕議員が受けた説明は、公文書管理法との関係で国立公文書館がどうなるかということなのだろう。

ただ、これだけを見ると何を話しているのかわかりにくい。さしあたり、世耕議員の所に公文書管理法関係者がブリーフィングを行っていることはわかる。
世耕議員がどの肩書きで呼んでいるのかわかりにくいのだが、おそらく「自民党広報本部長代理」という立場かなあと思う。

世耕弘成議員はよく朝生などにも出てくる政策通として有名な方である。
出身がNTTの広報担当であるということもあり、以前に紹介した「公文書館推進議員懇談会」」のメンバーの一人である。

上記の内容の意味を読みこむためには、世耕議員のこの問題に対するスタンスを見てみる必要がある。
世耕議員の以前のブログには、公文書管理問題について、次のように書かれている。(2005年5月9日付)

 国立公文書館改革について新聞社の取材を受ける。現在私は公文書館推進議連懇談会の幹事を務めている。
 公文書をきちんと保存していくということは、子孫に対する情報公開だといえる。重要な政策決定がどのようにして行われたかをきちんと記録に残すことは歴史に対する責任でもある。日本の国立公文書館は、諸外国の公文書館と比べて予算や人員が圧倒的に不足している。特に米国の国立公文書館は極めて大きな組織であり、強力な権限を持って公文書を収集、保存している。
 日本の公文書保存の本質的な問題点は、どの文書を保存するか(子孫に見せるか)について、公文書館側に権限がなく、各府省が決定権を握っていることである。しかも30年間は現用文書という扱いでそもそも役所側で保管している。結局30年たった時点で役所が差し障りないと判断した文書のみが公文書館に保存されているわけである。これでは充実したアーカイブスになるわけがない。
 子孫に対する説明責任を果たすという意味で、公文書館の制度そのものにメスを入れて行かなくてはならない。

(引用終)

これを踏まえた上で、一番最初に引用した2月10日の文章を見ると、内閣府の公文書管理法を作る担当を呼んで説明を受けた上での感想が、「もっと公文書館に強力な権限が必要と考える。」であることは、非常に重要な一文だと思う。
つまり、世耕議員が受けたブリーフィングでは、公文書館の権限が不足しており、それに不満を表明していると読めないだろうか。

先日記載したように、公文書管理法は3月提出が予想されている。おそらく現在、官僚の中で最後の詰めが行われている可能性が高い。その説明を受けた世耕議員がこのような感想を持ったということは、内容がかなり後退している可能性があるということなのかもしれない。

今のところわかったのはここまでです。続報があればまたブログに書きます。

追記(2/21)
世耕日記2月16日の記事に次のような記載がありました。引用させていただきます。

夜は、福田前首相主催で、公文書館推進議員懇談会世話人と有識者会議幹部の夕食会。小渕優子大臣も出席していたのでお祝いを申し上げる。公文書館問題は関心を寄せる議員が少ない。しかし「子孫への説明責任」としてきちんと公文書を保存、公開していくことは非常に重要だ。アメリカの国立公文書館は非常に立派でかつ観光スポットとして人気もある。大統領の電話記録まで保存されている。日本の公文書館は非常にお寒い状況だ。各省庁が縦割りで行政文書を抱え込んでいる現状も問題だ。国立公文書館法の改正に向けて、福田さんと共に5年くらい前から取り組んできた。今国会で何とか成立させたい。
(引用終)

福田元首相がまだしっかりと中では動いていることは確認できた。ここまで来たということは、法案提出は時間の問題というところなのだろう。また続報があれば書きます。
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