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天皇の公務は減るのか? [天皇関係雑感]

今日の毎日新聞の記事。引用します。

<宮内庁>国体など天皇陛下の「お言葉」廃止 公務負担軽減

1月29日19時23分配信 毎日新聞

 天皇、皇后両陛下の公務と宮中祭祀(さいし)の見直しや負担軽減を検討してきた宮内庁は29日、国体開会式や全国植樹祭などでの天皇陛下の「お言葉」を原則廃止するなどの対応策を発表した。

 お言葉は、行事前にかなりの時間をかけて陛下自ら推敲(すいこう)を重ねるため、負担となっていた。戦没者追悼式、国会開会式、宮中晩さん会や各種の公的な50周年記念行事など節目の式典では、従来通り続けるという。

 このほか公務では行事数を減らすことは避け、内容や方法を見直した。春と秋の叙勲では、7~8日間かけて受章者と会う回数を一日分に当たる4回減らし、外国の首相級との会見は公式色の強い訪問に絞り込む。

 陛下が臨む祭祀は年間30回を超える。最も重要な11月23日の新嘗祭(にいなめさい)では、深夜から未明にかけての儀式に臨む時間を短くする。元日を除く毎月1日の旬祭(しゅんさい)は、5月と10月以外は代拝とする。
 風岡典之・宮内庁次長は「植樹祭では木を植えられるので、お言葉がなくても、お気持ちは十分伝わると思う」と説明する。天皇陛下は昨年末ストレスが原因の胃腸炎で体調を崩した。皇后さまにも、めまいなどの症状が表れ、即位20年を機に見直しを進めてきた。【大久保和夫】

(引用終)

宮内庁の発表は「今後の御公務及び宮中祭祀の進め方について」としてすでにウェブサイトにも掲載されている。

ただ、正直私はこの宮内庁の文章を読んで、「本当に削減になるんか?」と疑問を感じざるを得なかった。
確かに宮中祭祀の一部は代拝になると書いてあるが、一番肝心の「公務」の件数がほとんど削減されていない。

宮内庁の文章の中には以下の文言が入っている。

「昭和50年当時と比べると,外国賓客や駐日大使との御会見・御引見等については,約1.6倍,赴任大使や帰朝大使との拝謁等については,約4.6倍,都内や地方へのお出ましについては,約2.3倍と,大きく増加しており,これらに伴い,両陛下の御負担も増大しました。」

これからみれば、天皇の負担の大きさが最も大きいのは、こういった「公務」にあたる部分であることは明白である。
この件数をほとんどいじらずに、「おことば」などを減らしたりというレベルの削減で、どうにかなる状況では無いのではないか。それに、行事に参加する時間が減れば、その分、別の場所に立ち寄ってくれといった話になるのは必定だ(行幸の日程を作っているのは宮内庁ではなく各都道府県。もちろん宮内庁が下検分して調整はしているが)。

今回のこの発表を聞いて考えるのは、以前にも書いた「天皇皇后の公務に対する責任感の強さ」と、それに屈した宮内庁長官という構図である。本来なら健康などを考えればもっと削減に踏み込んで良かったはずだ。それができなかったのは、長官の甘さだと思う。
また、これは推測だが、宮内庁自体が皇族全体の公務の件数をおそらく把握しておらず、天皇から皇太子、ないし秋篠宮などへの公務の移管がまともにできないということなのではないか。本来なら、全皇族の公務を把握した上で、重要度のランクを付けて天皇が行くのがよいのかなどの判断を下す必要があるはずだが、おそらくやってないだろう。

実際にどう減っていくのかは追々わかってくることだと思うが、とりあえず私はそれほど劇的には減らないのではと感じている。
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