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びっくりした [天皇関係雑感]

たまたま先程自分のブログのアクセス数を見てみたら、昨日から異様な数のアクセス数が記録されていてびっくりした。
しかもこの記事に。

「眞子様萌え~」!―皇族の萌えキャラ化に思う

どうやら、ヤフーの「日刊サイゾー」に「眞子様萌え」の話が載ったらしく、そこで検索して来た方がおられるらしい。
さらに、大手の書評サイトの「三軒茶屋」の「別館」のブログでリンクを貼っていただいたようで、そこから来られている方もかなりいるみたいだ。

今回の記事は、おそらく一部ではよく知られていることを、一般に紹介したということなのだろう。
上記のサイゾーの記事にはコメント欄があって、そこを見ると色々と書き込みがされている。
前の記事でも書いたように、不敬と思う人もいれば、それを敬意と見る人もいるという所なのだろう。

私は昔、卒業論文を書いたときに、戦後に行われた天皇に関する世論調査の結果を片っ端から集めて分析したことがある。
その時に感じたのは、天皇制、そして天皇個人への支持のあり方には世代毎に特徴があるなあということだ。

「現行の天皇制を支持するか否か」という聞き方をすると、1970年代以降の調査では、支持が70%を割ることはなかった。しかし、年齢別に見ると若い世代になるにつれて、支持率が減る。
だが、10年、20年後の調査を見ると、世代毎のカーブは結局前とあまり変わらなくなる。
つまり、年齢を重ねると支持に変わる人が増える傾向にある。

一方、天皇個人をどう思うかという調査をすると、昭和天皇と現在の天皇では大きく異なる。
昭和天皇の強固な支持基盤は戦前生まれの所であり、「尊敬」という選択肢を選ぶ人が多い。
一方、現天皇の場合は、天皇と同世代とやや下のあたり(戦中派)に多く、「親しみ」を選ぶ人が多い。
つまり、この二人だけを見ても、支持される内実に変化が生じていることがわかる。
(なお、どちらも「無感情・無関心」が40%~50%いることは共通している。)

現在の皇太子に対する調査はまだ調べたことがないが、選択肢を与える形ではないフリーに感想を聞く調査をしたなら、また違った答えが出てくるのではないだろうか。
でも、おそらく皇太子夫妻を支持するのは、やはり同世代なのではないかという感じはする。

支持のされ方は、その皇族と同世代の人が、どのような「同世代感覚」を持つかということと大いに関係している。
つまり、その時の社会の動きとか、文化の状況に大きく左右されるところがあるのではないか。
だから、その意味で、この「眞子様萌え」が、「萌え文化」の広がりの中で出てくるのも、自然ではあったのではないだろうか。

皇室評論家の高橋紘氏が良くおっしゃっていたが、「国民が天皇を無視している状態は一番良くない。賛成論だろうが廃止論だろうが、議論することが一番大切なんだ。」ということに、私は賛同している。
一過性で「へぇー」というレベルで結局は終わるとは思うが、天皇の問題を少しでも考える機会になっているのであれば、今回の記事は良かったのではないだろうか。宮内庁は困惑していると思うけど。

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コメント 2

鎌倉のガンダマー

もっとも関係なさそうな話、でアクセスが伸びるのは面白いですな。

しかし、「文化状況に左右される」と言うより、
そのときの文化(流行?)が無理やり押付けてる感の方が、
強く感じますな。
現在も、「皇族の追っかけ」も現存し続けているわけで、
時代における若干過剰なものが瞬間的に目立っただけではないかと。
(それを萌え文化・オタク文化と言ってしまえばそれまでだが。)

あとは、「尊敬」→「親しみ」のくだりも、
実際はそう大きな差は無いのではないかと、
おそらくその時の「父親像」的なものが、
そのまま投影されいる感じかなと。
(そうすると、やがて無視される日がくるのか???)
少なくとも、天皇は不貞を働きそうに無いので、
(表面的にはそう見えてる?)
現状の理想的な「象徴」と言う意味では、
ちゃんと機能してるようですな。

ではまたそのうちに。
by 鎌倉のガンダマー (2008-06-17 00:25) 

h-sebata

コメントどうもです。
確かに、もっとも異質なネタに食いつかれてますね。

時代に押しつけられているというのは、一面としてはあるかなという感じがします。
ただ私が思うに、天皇個人もまた学習院という一般社会との関わりを持たざるを得なくなっている所があって、同世代の状況をまともに受けている所があると思うんですな。
なので、本人の身体表現そのものが、その時代にシンクロしているように思う。(その意味で押しつけという側面もあるかも。)
だからこそ、同世代の支持が大きくなるということもあるのかなあと。

尊敬と親しみの間には、世代ごとの「生き方」の価値観の差があるように感じる。
世代間の意識の差という話、特に戦前・戦中・戦後世代で全く違うという話は、文学から始まってどこでも議論されていて、未だに論争が続いている部分ではあって、結論が出ていない。
「父親像」の話は昔から言われている話ではあるんだが、ちょっと世代とはズレがあるかなあという感じがしている。まあきちんと分析していないんだけど。

ではでは。
by h-sebata (2008-06-17 18:39) 

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