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公文書管理改革の現状 続 [情報公開・文書管理]

昨日の続き。

昨日紹介した部分は、「中間段階における集中管理及び電子媒体による管理・移管・保存に関する報告書」のうちの前半の部分だけである。
なので、後半の部分も少しだけ紹介したい。

後半は「電子公文書」の保存について書かれている。
まずなるほどと思ったのは、公文書を作るシステム(ハードウェア・ソフトウェア)の寿命が短いことにどう対応するかということが重視されていることである。
確かに、パソコンは数年単位で買い換えられるし、ソフトも今後100年間残るソフトで文書を作らないと、いずれ見れないという事態になりかねない。
だから、電子データをどのようなファイル形式でどの場所に保存しておくのかというのは、長期的な見通しを持って対処しておかなければいけない問題なのだ。

他には「原本性の確保」ということも強調されている。
これは、後から不正なアクセスを受けたり改ざんされたりするのをどう防ぐかということである。
紙媒体の場合は、直した跡は残るが、電子データの場合は上書きされてしまうので、普通では跡が残らない。
まだその点をどのような技術で防げるのかという点については検討中なようだが、これは公文書保存制度の重要な課題となると思われる。

他にも、データの移送方法(流出を防ぐには・・・)とか、既にウェブ上で各省庁が公開されている文書の収拾についてなどなど、色々と課題が書かれている。

この報告書は、「公文書等のライフサイクル全体を見通した管理を行う」ということを基本方針としている。
そしてそのためには、「個々の職員が働く最前線からの管理」を行うことが目標とされている。
一番はじめの段階で作られる文書から、きちんとした型に沿ったものにしてもらおうということであろう。
なかなか意欲的な報告書だなと思う。

しかし、この報告書、あまり知られていないような気がするのだ。
名前を見ていると、委員のほとんどは法律学者であり、アーカイブスから1名、歴史学者から1名という感じだ。
だからなのかもしれない。
ちなみにその歴史学者は、加藤陽子東大教授である。
HPの業績一覧を見たが、特にこの件について何か書かれているということはなさそうである。
何だかもったいない気がするのだが・・・


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