書陵部公文書の公開手順 [宮内庁書陵部]
先日のブログで述べたように、宮内庁書陵部にも公文書が保存されており、そのリストが公開されている。
その文書の請求をした後、どのような内部手続きがあるのかを紹介してみよう。
なお、某所で聞いた「また聞き」話なので、正確でないかもしれません。正確な情報をご存じの方がいれば教えてくださいませ。
まず、申込は書陵部図書課公文書係で受け付ける。
受け付けたものを書陵部内で審査を行い、公開できるかの判断をする。(専門の近代史研究者が関係しているかはわからない)
ここで問題ないとされたものは1ヶ月程度で出てくるらしい。(もちろん分量によるだろうが)
問題は、そこで判断ができなかった場合である。
この場合は、宮内庁の官房秘書課にある調査企画室という部署に回される。
そして、そこの審議官が最終判断をして、公開するか否かを決めているらしい。
その審議官というのは、「法律の専門家」ということらしいが、要するに官僚である。
そして、ここにまわされると、どうもすぐには公開されないようなのである。
官房秘書課の中には情報公開室も含まれており、結局はここで情報公開の最終判断が行われるということなのだろうが、ここの部署はあまりにも「慎重」すぎる傾向があるのだ。
例えば、数年前に公開になった「大正天皇実録」を覚えておられるだろうか。
「実録」とは、天皇の公式の伝記であり、宮内庁が作成している。
この「大正天皇実録」は2002~3年にかけて、1912年から1921年までは公開された。
しかし、その後の公開は完全に止まっている。
そして、どうも噂によると、書陵部の作業はとっくに終わっており、審議官の所で公開が止められているようなのである。
ただ、一度審査を受けて公開になった文書は、その後は無審査で見ることができるようになるらしいので、多くの人が使えば使うほど、「問題のない」文書は見やすくなるようだ。
まずは使ってみることが大切だと思うので、興味がある文書があれば、積極的に書陵部にアクセスしてみると良いと思う。
追記(9/6)
どうやら、さらに元の文書を保管していた部署に精査が行っているらしい。
遅れているものは、その部署が放置しているという可能性がありうるようだ。
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