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公文書管理改革の現状 [情報公開・文書管理]

先日のブログで、福田康夫議員が国立公文書館改革に関係しているということについて触れた。
これは、どこかでそのような記事を見た気がして書いた情報だった。
それで、自分でも気になって、どのように関わっていたのかを調べてみた。

すると、福田議員が官房長官の時(2003年)に、「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存・利用等のための研究会」が内閣府に作られていたことがわかった。
そして、その機関が格上げされて、「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」というものになっており、今年の6月22日に報告書を出していることがわかった。

この報告書は、「中間段階における集中管理及び電子媒体による管理・移管・保存に関する報告書」というものである。
これには、実に興味深いことが報告されている。

この報告書の「基本的考え方」の中で特に強調されているのは、使われなくなった文書(非現用文書)を保存管理するだけではなく、使っている文書(現用文書)も保存管理システムにきちんと適用させて管理すべきであるという点である。
つまり、これまで各省庁内の書庫で管理していた公文書を、国立公文書館が「中間書庫」を作ってそこに「移送」させるということだ。
そして、その「中間書庫」で国立公文書館の職員が整理目録化を行い、保存期間終了時に国立公文書館に正式に「移管」するのである。

この制度のミソは、初めは「移管」でなく「移送」するという点である。
つまり、その公文書の所有権限は各省庁に持たせたままで、整理だけを公文書館がやるということになるのだ。
これによって、各省庁は自分たちで面倒な資料整理を行わなくて済むようになるし、公文書館側は最後に自分の所に「移管」されるときに、再度目録を作らなくてすむのである。
さらに、各省庁が嫌がる「文書権限の移譲」を、文書の保有年限まで持っていられるということになっているため、各省庁が受け入れやすいようになっている。

これはなかなか考えられたシステムだと思う。
さらに、この報告書は、色々な細かい点もきちんと書いている。

例えば、「中間書庫への文書移送」は、一定の基準を満たす文書を全て移送する「義務」を各省庁側に負わせること。
そして、さらに最後に公文書館に「移管」する際に、その文書の廃棄決定に公文書館側が関与するということも書かれているのだ。

実際にこの試みがどこまで進むのかはよくわからない。
だが、内閣府の懇談会が報告書を出していることから考えると、何らかの動きがあることは確かだろう。

なお、上記の福田議員が中心となり、昨年3月に「公文書館制度強化推進議員懇談会」というものが作られているようだ。
こう考えると、福田議員にはぜひとも自民党総裁選に立候補して、首相になっていただきたかった・・・


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コメント 2

石川雅明

首相になりましたね。 公文書館重視派にとっては希有の首相です。時々公文書館問題を意識した首相答弁や発言があるのですが、国会ねじれ現象や、永田町でやっかいな問題が次々浮上してこの公文書館問題に力を咲きにくくなっているのが 残念です。
by 石川雅明 (2007-11-29 22:48) 

瀬畑 源(せばた はじめ)

コメントありがとうございました。安倍晋三氏が首相になったタイミングだったらと、今でも惜しまれます。公文書館問題は民主党もそれほど反対はしないでしょうから、解散前にもっと進めてほしいものです。
by 瀬畑 源(せばた はじめ) (2007-12-01 20:57) 

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