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「アーカイブズ実務情報リンクバンク」について思う [情報公開・文書管理]

あけましておめでとうございます。
今年も本ブログをよろしく御願いします。

さて、新年1本目は、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)がウェブサイトで公開した「アーカイブズ実務情報リンクバンク」についてです。
先月に公開されたページで、「資料保存のマニュアル・手引き・ガイド」「公文書の評価・選別・移管・保存」「アーカイブズの構想・計画」という3つの項目に分けて、各公文書館へのリンクが張られている、いわゆるリンク集のたぐいである。

こういった情報の集積は重要なことだと思う。
ただ、正直言って、これだけしか各公文書館はネットに情報を発信していないのかという点を残念に思う。

前からずっと思っているのだが、アーカイブズ関係の人たちは、ネットでの情報発信を甘く見ていないだろうか?
デジタルアーカイブズに熱心なわりに、自分たちの公文書館自体の情報発信にあまりにも熱意の欠けるところが多いように思うのは私の気のせいなのだろうか。

公文書館によっては、利用規則や公開基準をネット上で公開していない所もある。
また、ページの更新がイベントがあるときだけで、自分から積極的にページの閲覧者を確保しようという意図が見られないところがほとんどであるように思う。
最低限、沖縄県公文書館がやっている「業務日誌」のようなブログの形で、自らの業務を積極的に紹介していくということが必要なのではないのか。

もちろん人員が不足していてそういった業務をしている時間がない等々の問題はあるだろう。
だが、自ら情報を発信して理解者を増やしていかなければジリ貧な状態は全く変わらない。
はっきりいってブログを作るのは、そんなに手間ではない。twitterのようなものも最近ではある。
やる気になれば何とでもやりようはあるのではないのか。

話を戻して「実務情報リンクバンク」に関して思うのは、「マニュアル」のリンクを作るだけでなく、アーカイブズ情報の集積を図るwikiのようなものを作ることはできないのだろうか。⇒参考:「大阪の公文書館問題を考えるwiki」

これは私の勝手な思いこみかもしれないが、各地のアーカイブズは、優秀なアーキビストの個人的な能力でもって何とか成り立っているところが多いように思う。
だが、その人達の知識はどこまでアーキビスト間で共有されているのか極めて疑問がある。

特に、「失敗の経験」をどこまで共有化できているのだろうか。
これは、マニュアルや論文のリンクを作ったところで解決し得ない問題である。
今後作られる(運営される)公文書館のために必要なのは、成功例のマニュアルだけではなく「何をしたらまずいのか」や「失敗したときのリカバリーのやり方」といったような他館の経験なのではないか。

全史料協のような大きな組織であれば、例えばコンピューターに詳しい図書館情報学の院生あたりを雇ってプラットフォームになるwikiの原型を作ってもらうことができるぐらいの資金力はあるのではないのか。
それに会員が書き込むことで充実させ、アーカイブズについて知りたいならここに来ればOKというようなものを作り上げてみたらどうだろうか。

新年初っ端から、暴言めいたことを吐いてみました。素人考えですが、何かご参考になれば。。。

今年もこんな感じで更新を続けてまいります。よろしく御願いいたします。
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コメント 2

まつき

失敗体験の共有化は、本当はできればいいのですけどね...
ただ実際に、WEBにあげるためには決裁が必要な場合が多いですし、ご指摘どおり、文書館が成功事例さえ「ネットに情報を発信していない」現状では、なかなか難しいところがあるのかな、と。
全史料協が「大きい」かどうかも微妙なところかと思います。大きいといえば大きいのでしょうけど、今の体制だと機動性に欠く所があるのかな。
by まつき (2010-01-12 04:25) 

h-sebata

> まつきさま

コメントありがとうございました。
なかなか難しいことは承知の上で書いてみたことではあります。例えば、匿名投稿ありのwikiというのも可能性としてはあるでしょう。
おそらく「官」の世界の論理を超えたところでの連携が必要な気がするのです。

全史料協は大きくないのですか・・・。そちらの業界の団体の状況はよくわからない点が多いので何とも言えないのですが・・・。
by h-sebata (2010-01-13 17:15) 

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