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一般参賀に思う [天皇関係雑感]


12月23日の天皇誕生日に、大学時代の友人と皇居の一般参賀に行ってみた。
私は良く色々な人に(もちろん留学生を含め)「日本にいるなら一度一般参賀は見に行っておけ」と言っている。

別にそれは天皇に万歳してこいとかそういう次元ではなく、天皇制とは何なのかを考えるには、まず「体験」が必要だということを言いたいためである。
その結果として天皇制支持になろうが反対になろうが、それはどうでもよい。
ただ、天皇制を巡る議論は、空想で語るのが一番不毛であると考えているので、まずは「体験しておけ」ということなのだ。

一般参賀は、1月2日と天皇誕生日の2回行われる。
これが始まったのは1948年のことである。(詳しくは、自分の書いたものでもうしわけないが、『岩波天皇・皇室事典』の「一般参賀」の項を参照。)
現在では、確実に皇室一家と対面できる数少ない機会として機能している。

私が一般参賀に行くのは通算で3回目である。
入場は二重橋からなので、その付近から入るのだが、近くで日の丸を配っている人が必ずいる。
前に『神社新報』(神社本庁の機関紙)で、この日の丸を配る運動についての記事を見たので、おそらくそういった団体が存在するのだろう。

しばらく行くと検問がある。そこで荷物検査とボディーチェックを受ける。
昔の記憶だと荷物検査はあったが、ボディーチェックはなかったような気がしたのだが。女性警官にえらく念入りにさわられるので、なんだかこそばゆくてしょうがない(苦笑)。

そこから二重橋を通って、昭和宮殿の前に立つ。
目の前の長和殿ベランダから皇室一家は手を振るわけだが、入ってくる人はその中心部の手前に集められる。(両脇の方は入れないようにバリケードがある)
報道カメラは、その中心部の一番後ろに陣取っており、そこから撮るとものすごい数の人が来ているように見えるような仕組みになっている。

私は一般参賀では観察者として周りを見ることに終始している。
3回とも共通するのだが、外国人がものすごく多い。見た目で分かる白人・黒人系だけでなく、明らかに話している言葉がハングルだったり中国語だったりする人が結構いる。
右翼の集団も服装(黒スーツの集団+明らかにボス的な人がいる)ですぐに分かるが、これは思ったよりは多くはない。
そして、天皇が出てくると、この一部の集団が「天皇陛下万歳」を叫び出す。(以前行ったときは「国歌斉唱」と叫んで歌っていたが、今回はたまたまいなかった。)
それに対し、周りの人はあまり万歳には同調しない。ただ旗が振られるのである。
万歳と旗を振ることの間に心理的な壁が存在することは、こういった場にいるとものすごく実感する。
一番始めに一人で行ったときに、試しに旗を振ってみたことがあるが、この同調性は気持ちいいなあと思った記憶がある。

参賀は天皇があいさつをして、それからしばらく手を振っていると、後ろから担当官が出てきて天皇を呼び、その後ゆっくりと中に入って終わりということになる。およそ5分間というところだろうか。
その後はあっさりしたもので、みな粛々と帰りの門へと向かっていく。

文章で説明するのはあまり面白いものではないと、書き終わってから思ったのだが、まさにそういうものである。これは行ってみないと面白さが分からない。
是非、一度は軽い気持ちで行ってみたらどうだろうか。色々なことを考える題材を与えてくれるものだと思う。

岩波 天皇・皇室辞典

岩波 天皇・皇室辞典

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/03/11
  • メディア: 単行本


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コメント 1

ダグラスリーフ

日本国に居住していますが、未だに一般参賀は行ってません。
ごめんなさい。
いつの日か、一般参賀に行ける機会が出来たら、是非参加したいと思います。
by ダグラスリーフ (2011-06-04 01:11) 

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