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鳩山首相辞任 [2010年公文書管理問題]

鳩山首相が今日辞任した。
公文書問題などに関心のある私からすると、枝野幸男氏が行政刷新相に残留できるかの方が重要。
情報公開法の改正もやっと進みそうだし、いまここで閣僚が替われば白紙に戻りかねない。

民主党政権にはいろいろと問題があるけど、情報公開や公文書管理問題に関しては、自民党時代よりはるかにまともになってきている(まだ道半ばという感じだが)。
ただ、公文書管理法の施行まで1年切っているのに、いまだに政令案は出てこないし、公文書管理委員会のメンバーも選ばれていない。
もし、こういったことに関心のない人が行政刷新相になってしまったらと思うと気が気でないので、なんとかこのまま留任してほしいなあと思う。

あとは鳩山首相の辞任について雑感。
外交問題で国民世論を煽るのは危険だということは、戦前の日本外交史を知っていれば常識の範囲なんだがなあ・・・
引くに引けなくなるし、引いたら引いたで大ブーイングになるし。

政策決定過程の可視化というのは確かに重要なんだけど、案件的にセンシティブな問題は、必ずしもその過程の情報を逐一公開する必要など無い。
特に外交は相手もいるのだから、国内事情だけで全てが決まるわけではない。

ただ、決まった際には次の2点についてきちんとすべき。
1.決まったことは国民の前できちんと説明する。
2.政策決定過程がわかる文書をきちんと残し、30年後に公開して歴史の審判を仰ぐ。


これが外交問題における情報公開の基本的なあり方だと思うんだがなあ。

とりあえず、新たな首相がもうちょっと外交センスのある人であることを望みます。
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コメント 2

so

soです。お忙しいところでしょうが、コメントを少々。

>外交問題で国民世論を煽るのは危険だということは、戦前の日本外交史を.
>知っていれば常識の範囲なんだがなあ・・・

僕は今回の件の「国民世論」というものが、よくわからないです。
「対米従属外交からの脱却」とか、すくなくとも「沖縄の基地なき安保」という「世論」の方向性が示されたといえるかどうか。
仮にそうだすると、大新聞ジャーナリズムの「対米従属」姿勢とはあきらかに乖離しており、今回のような政府―メディア―「国民世論」の屈折した関係性というのは、過去に事例があるでしょうか。
いずれにしても「ユニーク」な政権でした。
外務省が鳩山方針のもとでどのような動きをしたのかの検証は、政権の評価にとって大きなポイントであり、その点検証を可能にする公文書がどの程度残されるか。興味が持たれるところです。
by so (2010-06-03 12:26) 

瀬畑 源(せばた はじめ)

> soさま

コメントありがとうございます。走り書きレベルの話なので何となくそう感じたぐらいの書き方だったので、雑だったですね。
私としては、初めから「県外移設」というのを明言してその期待を煽ったが故に、結局それがアメリカの方針によって失敗に終わったという意味ぐらいで使っています。
徳之島案のリークなど、戦前の対外強硬派が良くやったようなリークしてつぶそうとするという動きは、外務省の中にあったのかなあとは思わなくもないですが。

マスメディアとの関係とのユニークさという点では、大新聞の論調がそれぞれかなり違うなというのがこの政権の特徴でもあった気がします。
また、小泉以降の報道を見ていて、ぶらさがり取材や記者クラブ制度の問題、マスメディアの「政局」(政策より「小沢との関係」といった人的関係による政治)報道や世論調査のあり方(調査結果がさらに世論を作っていくこと)など、メディアリテラシーの問題も含め、色々と考えることはたくさんあるなという感じはしています。

公文書はきちんと残して欲しいです。今回の交渉で、いったい何が行われていたのかについては非常に興味がありますね。
30年は開かれないかもしれませんが、日米外交のあり方を考える重要資料になりそうです。
by 瀬畑 源(せばた はじめ) (2010-06-04 05:03) 

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