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中間書庫の試験運用が始まる [情報公開・文書管理]

11月26日読売新聞夕刊に次の記事が載った(ネット版から→読売はすぐに見れなくなるから、下にコピペしておきます。強調は引用者が行ったもの)。

政府が「中間書庫」を試験運用、専門家による一元管理

 政府は、歴史的に価値を持つ可能性の高い行政文書を早い段階から保管するため、各省庁の公文書を専門家が一元的に管理する「中間書庫」システムを近く試験的に運用する

 当面、内閣官房と内閣府の文書を対象とする。2011年度をめどに、独自の保存施設を持つ外務省と宮内庁を除く全省庁で本格運用に入りたい考えだ。

 保管の対象は、閣議にかけられたり、次官級以上が決裁したりした重要な文書のうち、各省庁が日常業務で使用しなくなったものだ。公文書は30年の保存期間後、公文書館へ移されるが、これまでは各省庁の保管方法がまちまちで、紛失したり、破損したりする例があった。このため、公文書館への移管前に、専門家が資料的価値の有無を判断し、集中的に管理する必要があると指摘されていた。

 内閣府は、中間書庫として、東京・芝浦の倉庫を借り、約1000冊の内閣府などの文書を移す。公文書館職員のOBが文書の評価と選別、リストの作成などの整理を行い、資料的価値を持つ可能性のある文書は、公文書館に移すまで、空調の整った倉庫で保管する。価値が低いと判断された文書は、元の省庁に戻し、保存期限後に廃棄される。

 内閣府によると、米、英、仏、独など欧米各国政府は、公文書館とは別に、中間書庫に相当する「レコードセンター」を整備している。中間書庫の必要性は、官房長官の私的諮問機関「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」が昨年6月に提言した。

 福田首相は公文書の保存・管理態勢の拡充に積極的で、今年10月の公文書館視察の際、「大事な記録や歴史的な文書を保存、管理して国民がいつでも見られるようにすることは必要だ」と述べていた。
(2007年11月26日14時36分 読売新聞)

(引用終)

ついに、福田政権になった効果が現れ始めてきた。
中間書庫の設置は、公文書管理体制の核となるものである。
読売の記事にある、「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」については、昨年8月22日のブログですでに説明をしているので、こちらを参照してほしい。

あとは、試験運用に際し、内閣府そのものが、きちんと文書を中間書庫に送るかどうかが問われる。
また、もし本格運用になる場合は、中間書庫に送ることを義務づけるような法的な制度が必要になるはず。そのあたりを、短命である可能性が高い福田内閣の間に、どこまでレールを引けるかが問われてくると思う。

なお、渡辺喜美行政改革担当大臣が、講演で国立公文書館を独立行政法人から国家機関へ戻すことを検討するというニュアンスの発言を行っているようであり、少しずつ公文書行政が変わってきているのではないかと思わせる。→国立公文書館のHPに議会での議論が一部PDF化されている
今後の展開に期待をしたい。


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