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『国家と記録 政府はなぜ公文書を隠すのか?』刊行 [2019年公文書管理問題]

2019年10月17日、集英社新書から『国家と記録 政府はなぜ公文書を隠すのか?』が刊行されました。

2018年2月に刊行した『公文書問題 日本の「闇」の核心』の続編にあたります。

前著に引き続き、『時の法令』の連載「公文書管理と日本人」の後半部(2019年3月まで)の部分を収録し、口語体に直した上で、内容をアップデートしたものです。

目次は以下の通りです。

はじめに
序章 新自由主義時代の情報公開と公文書管理制度

第一部 公文書の危機
 第一章 森友学園問題の再燃
 第二章 文書「改竄」と民主主義の危機
 第三章 政策決定過程の文書を残すことの意義
 第四章 イラク日報問題に見る公文書管理の歪み
 第五章 加計問題に見る公文書公開のあり方
 第六章 愛媛県公文書管理条例の問題点

第二部 公文書管理をどうすべきか
 第七章 皇室会議の議事録、昭和天皇「独白録」
 第八章 宮内庁宮内公文書館
 第九章 行政文書の管理に関するガイドライン改正
 第一〇章 電子メールは行政文書か
 第一一章 政府の公文書管理適正化の取組をどう考えるか

第三部 未来と公文書
 第一二章 行政文書の定義から外れる「歴史的文書」をどう保存するか
 第一三章 安曇野市文書館の開館
 第一四章 地方公共団体の公文書管理問題を考える
 第一五章 アジア歴史資料センター

第四部 対談 情報公開と公文書管理の制度をどう機能させるか
 三木由希子(特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長)


序章で公文書管理問題の歴史を、新自由主義という点から振り返ります。

第一部では、森友問題の公文書改竄、加計学園問題(愛媛県関係)、イラク日報などの、政治問題化した話の続編(これ以前の部分は前著を参照)。

第二部では、私の専門の天皇と公文書の話や、電子メール問題など、公文書管理の方法についての話です。

第三部は、歴史研究者の視点から、公文書の閲覧、利用や保存のあり方について論じました。

第四部には、情報公開問題の第一人者といっても良い、NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子さんとの対談(実質は私によるインタビュー)が収録されています。
三木さんがなぜ情報公開に取り組むことになったのか、いまどのようなことを考えて情報公開運動を行っているのかを、かなり突っ込んで話を聞けたように思っています。
三木さんは多くの媒体でインタビューを受けておられますが、かなりディープなところに切り込めているかなとは個人的には思っています。
三木さんファンの方も是非お読みいただければと思います。

公文書管理の問題は、安倍政権固有の問題ではなく、日本社会に根づいたさまざまな考え方に問題の原因があります。
この本を通じて、少しでもこの問題に関心を持っていただければ著者冥利に尽きます。

よろしければ、お手にとっていただければと思います。
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