文書改竄を「問題ない」とは・・・ [2010年公文書管理問題]
今日の毎日新聞の記事。引用します。
東北厚生局:開示文書、また改変 不祥事発覚後 提出元に訂正させ
毎日新聞 2010年10月20日 東京朝刊
開示請求のあった公文書を改ざんした不祥事が6月に発覚した厚生労働省東北厚生局(仙台市、石井博史局長)が、7月にも開示請求のあった公文書を提出元に書き換えさせてから開示していたことが分かった。同局の担当者は「(書き換え前の)文書に誤りがあった」と釈明するが、総務省行政管理局情報公開推進室は「請求時点で行政機関が保有している文書は、仮に間違っていてもそのまま公開しなければならない。情報公開法の趣旨に反する不適切な行為」と指摘している。
書き換えられた文書は、福島県郡山市にある医療専門学校が国の規則に基づき東北厚生局に提出した08~09年度の年次報告など。歯科衛生士科の授業時間数などが記されている。
開示請求したのは同校を「不当に解雇された」として6月に福島地裁郡山支部に提訴した元教員(52)。裁判資料として7月8日に開示請求した。東北厚生局総務課によると、開示期限は8月9日だったが「開示・不開示の審査に時間を要する」との理由で期限を30日間延長した。しかし元教員によると、延長期限を過ぎても通知がなく、9月中旬に同課に問い合わせると「記載に間違いが見つかったので学校に訂正を求めている」と言われたという。
10月2日にA4判87枚の文書が届いたが、年次報告には専門学校が東北厚生局に提出した日付がなかった。同局に確認したところ、開示請求後の9月下旬に書き換えさせたことを認めたという。元教員は原本の開示を求めたが拒否され、どこが書き換えられたのか不明のままだ。
6月に東北厚生局による改ざんが発覚した公文書も同じ医療専門学校に関するもので、元教員は「知られたくないことを組織的に隠したのではないか」と話している。毎日新聞の取材に対し、同局の千葉孝司総務課長は書き換えの事実を認めたうえで「誤った記載がある(改変前の)文書を開示すると誤解を招くと判断し、正しい文書を開示した。組織として判断したもので局長の決裁も受けている。問題とは考えていない」と話した。【坂本智尚】
==============
■ことば
◇厚労省東北厚生局の開示文書改ざん問題
授業時間数不足の疑いがある福島県郡山市の医療専門学校を06年に実地調査した同局が07年、調査結果を記した公文書の開示を卒業生から求められた際、不足時間数などを指摘した部分を削除したり文書を差し替えた不祥事。今年6月に毎日新聞の報道で発覚し、厚労省は当時の担当者ら4人を減給などの処分とした。
(引用終)
(・・)
もし本当であったならば、いくらなんでも、これは尋常でない酷さだ。
その酷さは次のようにまとめられる。
・「請求された」文書が「存在」するにもかかわらず、それを隠匿し、別の「正しい」文書を「作って」渡した。
→文書を意図的に隠匿したと言われてもおかしくない。
=Wikiの知識だが、刑法の「文書等毀棄罪」が適用される事例(文書の利用を一時不能にする目的で、隠匿する行為)にあたるのでは?
→さらに原本の開示を拒否していることで「隠匿」は確定。もし原本を捨てていたなら、刑法第258条の「公用文書等毀棄」に完全に適用する。
・相手を見て開示内容を変えた可能性が高い。
→裁判係争中の相手が有利になる情報を渡したくないがゆえに、文書を変えた可能性。
=つまり、相手の利用目的を推測して開示内容を変えた。これは利用目的を問わない情報公開法の根本概念を揺るがす。
・文書の「原本性」を無視することを「問題」と思っていない。
→情報公開はその政策を「行ったとき」の文書を開示するべきもの。間違ったデータで行政を行ってしまっても、「行った」以上はその情報は開示する必要がある。
=もしこのようなことが許されるなら「失敗した政策のデータは全て書き換えて良い」ということになりかねない。
→しかもそれを「問題ない」と言い張るのは大問題。文書管理の研修をきちんとやっているのか疑う。懲戒免職レベルのことを行っているのに、それを堂々と「問題ない」というのはどういうことなのか。
もしどうしてもデータ的に問題だったというなら、元の文書を公開した上で、新たに直したデータを行政サービスとして提供すれば良いのだ。なんでそんな考え方すらできなかったのか。
この後、どういう処分が下されるのか注目したい。
もしこれを「減給」レベルで済ませたら言語道断。公務員倫理そのものが問われていると考えるべき。
しかし、これ「事実」なのか・・・。目を疑う。
公文書管理法を作るときに、意図的に文書を廃棄した場合のために罰則を入れるべきという議論があって、結局見送られたが、なんというかそういうレベル以前の問題。
こういう事例はさすがにあきれ果てるなあ・・・・
東北厚生局:開示文書、また改変 不祥事発覚後 提出元に訂正させ
毎日新聞 2010年10月20日 東京朝刊
開示請求のあった公文書を改ざんした不祥事が6月に発覚した厚生労働省東北厚生局(仙台市、石井博史局長)が、7月にも開示請求のあった公文書を提出元に書き換えさせてから開示していたことが分かった。同局の担当者は「(書き換え前の)文書に誤りがあった」と釈明するが、総務省行政管理局情報公開推進室は「請求時点で行政機関が保有している文書は、仮に間違っていてもそのまま公開しなければならない。情報公開法の趣旨に反する不適切な行為」と指摘している。
書き換えられた文書は、福島県郡山市にある医療専門学校が国の規則に基づき東北厚生局に提出した08~09年度の年次報告など。歯科衛生士科の授業時間数などが記されている。
開示請求したのは同校を「不当に解雇された」として6月に福島地裁郡山支部に提訴した元教員(52)。裁判資料として7月8日に開示請求した。東北厚生局総務課によると、開示期限は8月9日だったが「開示・不開示の審査に時間を要する」との理由で期限を30日間延長した。しかし元教員によると、延長期限を過ぎても通知がなく、9月中旬に同課に問い合わせると「記載に間違いが見つかったので学校に訂正を求めている」と言われたという。
10月2日にA4判87枚の文書が届いたが、年次報告には専門学校が東北厚生局に提出した日付がなかった。同局に確認したところ、開示請求後の9月下旬に書き換えさせたことを認めたという。元教員は原本の開示を求めたが拒否され、どこが書き換えられたのか不明のままだ。
6月に東北厚生局による改ざんが発覚した公文書も同じ医療専門学校に関するもので、元教員は「知られたくないことを組織的に隠したのではないか」と話している。毎日新聞の取材に対し、同局の千葉孝司総務課長は書き換えの事実を認めたうえで「誤った記載がある(改変前の)文書を開示すると誤解を招くと判断し、正しい文書を開示した。組織として判断したもので局長の決裁も受けている。問題とは考えていない」と話した。【坂本智尚】
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■ことば
◇厚労省東北厚生局の開示文書改ざん問題
授業時間数不足の疑いがある福島県郡山市の医療専門学校を06年に実地調査した同局が07年、調査結果を記した公文書の開示を卒業生から求められた際、不足時間数などを指摘した部分を削除したり文書を差し替えた不祥事。今年6月に毎日新聞の報道で発覚し、厚労省は当時の担当者ら4人を減給などの処分とした。
(引用終)
(・・)
もし本当であったならば、いくらなんでも、これは尋常でない酷さだ。
その酷さは次のようにまとめられる。
・「請求された」文書が「存在」するにもかかわらず、それを隠匿し、別の「正しい」文書を「作って」渡した。
→文書を意図的に隠匿したと言われてもおかしくない。
=Wikiの知識だが、刑法の「文書等毀棄罪」が適用される事例(文書の利用を一時不能にする目的で、隠匿する行為)にあたるのでは?
→さらに原本の開示を拒否していることで「隠匿」は確定。もし原本を捨てていたなら、刑法第258条の「公用文書等毀棄」に完全に適用する。
・相手を見て開示内容を変えた可能性が高い。
→裁判係争中の相手が有利になる情報を渡したくないがゆえに、文書を変えた可能性。
=つまり、相手の利用目的を推測して開示内容を変えた。これは利用目的を問わない情報公開法の根本概念を揺るがす。
・文書の「原本性」を無視することを「問題」と思っていない。
→情報公開はその政策を「行ったとき」の文書を開示するべきもの。間違ったデータで行政を行ってしまっても、「行った」以上はその情報は開示する必要がある。
=もしこのようなことが許されるなら「失敗した政策のデータは全て書き換えて良い」ということになりかねない。
→しかもそれを「問題ない」と言い張るのは大問題。文書管理の研修をきちんとやっているのか疑う。懲戒免職レベルのことを行っているのに、それを堂々と「問題ない」というのはどういうことなのか。
もしどうしてもデータ的に問題だったというなら、元の文書を公開した上で、新たに直したデータを行政サービスとして提供すれば良いのだ。なんでそんな考え方すらできなかったのか。
この後、どういう処分が下されるのか注目したい。
もしこれを「減給」レベルで済ませたら言語道断。公務員倫理そのものが問われていると考えるべき。
しかし、これ「事実」なのか・・・。目を疑う。
公文書管理法を作るときに、意図的に文書を廃棄した場合のために罰則を入れるべきという議論があって、結局見送られたが、なんというかそういうレベル以前の問題。
こういう事例はさすがにあきれ果てるなあ・・・・
こういう不祥事が起きた時の厚労相だった「ミスター年金」がどの口で「安倍内閣は総辞職せよ」というのやら。
しかも民主党政権の時まで改ざんが発覚していると言うのに。
by エネルギー名無し (2018-03-13 00:01)