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公文書管理担当相の新設 [情報公開・文書管理]

本日の毎日新聞の記事。

<公文書管理>有識者会議を設置し「文書管理法案」議論へ

2月29日12時46分配信 毎日新聞

 福田康夫首相は29日午前、上川陽子少子化担当相を公文書管理担当相に任命した。これを受け、政府は「公文書管理のあり方に関する有識者会議」を設置。3月初旬に初会合を開き、公文書の作成、管理、保管のルールを定める「文書管理法案」(仮称)について議論する座長には尾崎護元大蔵事務次官が就任する見通し。

 他のメンバーは次の通り。(敬称略)

 朝倉敏夫(読売新聞論説委員長)、宇賀克也(東京大院教授)、加藤丈夫(富士電機ホールディングス相談役)、加藤陽子(東京大院准教授)、後藤仁(神奈川大教授)、高橋滋(一橋大院教授)、高橋伸子(ジャーナリスト)、野口貴公美(中央大准教授)【坂口裕彦】

(引用終)

ついに、公文書管理担当大臣まで置かれることになった。福田首相の本気度がうかがえる。
この有識者会議のメンバーを見ても、おざなりにやるという意識はないと思える。

まず座長の尾崎護氏は、福田首相が官房長官時代に設置した「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」の座長であり、元大蔵事務次官ではあるが、「公文書等の適切な管理、保存及び利用のための体制整備について―未来に残る歴史的文書・アーカイブの充実にむけて―」(2004年)という、なかなか気合いの入った報告書を出した懇談会の座長であったわけだから、適任ではあるだろう。(この懇談会については、以前のブログ記事(その1その2)を参照。)
それに、官僚として頂点を極めた人がトップにいないと、文書管理法を実際に作成するときの抵抗勢力になる官僚達が納得しないだろう。
他のメンバーを見ると、宇賀克也氏(行政法)、後藤仁氏(行政法)、加藤陽子氏(日本近代史)がこの懇談会のメンバーだった人である。

また、注目すべきメンバーとしては高橋滋氏(行政法)の存在がある。
高橋氏は総合研究開発機構(NIRA)の委託で行われた「公文書管理法研究会」の座長であり、この研究会は文書管理法の試案を作成している。(下記にamazonのリンクを貼っておきます)
さらに、1月に歴史学研究会の総合部会で私とともに報告された方でもあるので、歴史研究者やアーキビスト側の意見もそれなりにわかっていただいているのではないかと思っている。
なお、この研究会からは、野口貴公美氏(行政法:アメリカの文書管理に詳しい)が加わっている。

他のメンバーの方は私にはわからないが、上記のことから考えて、「懇談会」と「研究会」の成果がストレートに反映されてくる可能性の高い会議ではないかと思われる。
そうなると、期待は高まる。
また、歴史研究者から加藤陽子氏が入っており、歴史学からの視点も反映される可能性がある。(ご本人は歴史学の「利益代表」という気はないだろうが。)

いずれにしろ、この有識者会議の動向は注目していきたい。
歴史学の各学会関係者も是非とも注目していってほしい。

ただ、すごく気になることが一つ。
大臣が上川陽子氏というのはどうなんだろう・・・。少子化担当相としても何やっているかさっぱりだし。
何だか、閣内で一番仕事がない人にやらせたみたいな感があるのが、すごく気になる。本人もどこまで重要性が分かった上で引き受けているんだろうか・・・。

大臣を増やすわけにはいかなかったのだろうけど、できれば「公文書館推進議員懇談会」からマスコミにアピール力のある人を選んでほしかった。野田聖子氏とか・・・(議員懇についての説明はここ
上川氏のリーダーシップには非常に不安を覚える。不安を裏切る活躍をしてくれることを「祈願」したい。

政策提言-公文書管理の法整備に向けて

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  • 出版社/メーカー: 商事法務
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本



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